■医師の転職

自身のキャリアアップを目指したい、自分の理想とする働き方をしたいなど、転職理由は医師によって多々あります。転職先が無いことはまずないが、自分が満足出来るような転職を実現させるためには、まず何を実現したいのかを明確にすること、そのために必要な事を理解して決断する必要があります。

■転職に向けての準備

転職では、病院や診療所に面接へ行くことを想像しがちになりますが、実際の転職活動の流れは、

1、自身のキャリア設計を明確にする。

2、転職目的、条件の設定

3、転職活動のスケジュール設定

4、応募方法の選択

5、転職先の情報収集活動

6、施設見学、面談

7、退職へ

8、新しい勤務先へ入職

という流れになります。

自身がこの先、医師としてのキャリアをどのようにしていきたいのか、どんな働き方をしたいのかをまず決める事が大切です。それに沿って、転職目的、条件を明確にしていきます。キャリア設計、目的、条件が決まったら、次は具体的にいつ入職したいのか、現職の退職時期についてもスケジュールを設定します。転職先を探すには、医師同士の繋がりから探すのか、それとも下記のような転職サイトを利用するのか、自分に合わせて選択します。そして、転職先の情報を収集し、検討していきます。

■キャリアプラン

医師の転職経験は比較的多く、常勤・非常勤での勤務も含めれば多くの方が複数の職場で仕事を経験しています。自分が納得のいく転職を実現するためにまず実施したいことは、キャリアプランを考える事です。キャリアプランを考える時には、長期の目線で考える必要があります。「将来どんな医師として働きたいか」「どんな働き方をしていきたいか」という事です。私の勤務先では、医師が転職を考えた理由は、「年齢的にオンコールが厳しくなってきた」「医局に残って研究するよりも、常勤・非常勤でバリバリ稼ぎたい」「家族の都合」「専門分野を極めたい」などがありました。まずは、長い目線でご自身が何を大事に過ごされてきたのかを、生活、家族も含めて検討していく事が大事になります。

長期のキャリアプランを考えた後に、中期と短期のキャリアプランを次に考えていきます。将来は開業医として勤務したい場合は、必要な経験、経営の事が任せられる人脈や知識を持っているかを考えて、中期と短期の転職を考えていきます。ちなみに、最近は開業医が儲かるという時代は終わりを迎えています。開業には資金も必要になります。初月は保険からの支払いも無いため、最低1月は無収入で維持できる経営体力が必要です。将来的に保険医療が破綻する可能性があるため、銀行もなかなか資金を貸してくれない時代になってきています。

キャリアプランを立てる事が難しい場合は、今自分に何が出来るのかを考えて、やりたいことを考えていく事で結論を出す方法もあります。

■転職目的、条件

転職目的は出来る限り詳しく考えましょう。例えばですが「忙しい」が理由の場合は、「何が」忙しく、将来的にどんな働き方をしたいのかを考えていきましょう。オンコールの回数が多く休めない、患者数が多く昼休みが取れない。日勤当直が多い。などの具体例を挙げていき、どんな転職先を探すべきなのか明確にしていきます。

転職活動では、すべてが自分の希望条件どおりになる事は困難です。条件については、自分が絶対に譲れない事を、可能であれば叶えたい事を分けて考え、優先順位をつけることが大切です。

■転職活動スケジュール

転職の時期で一番多いのは4月入職です。4月入職を希望する場合は、7月までに情報収集、9月までに見学・面接、10月に新規入職先決定と退職申し出、4月入職という流れが一般的です。転職活動は1年間の活動期間を設けて、余裕を持ったスケジュール設定をしましょう。医局独自のルールがある場合は確認しておくことで、医師の狭い世界で遺恨を残すことなく次の職場へ行きましょう。

■応募方法

転職方法では、知り合いの医師から紹介、転職サイトを活用、自分で開業など複数の方法があります。応募方法によってメリットとデメリットがあります。知り合いの医師から紹介の場合は、知っている人からの紹介で安心感があります。しかし、その反面退職しにくかったり、条件にたいしての不満があった場合に言いにくいというデメリットがあります。転職サイトでは、手間や交渉を肩代わりしてもらう事ができます。しかし、転職サイトの紹介に掲載されていない場所の求人は申し込みができません。転職サイトを利用する場合は、複数のサイトを登録して閲覧できる案件を増やす事が大切になります。

■転職先情報収集

・勤務

求人票に掲載されている情報は、実態がそのまま書かれているとか限らないため、実際の勤務がどうなのか確認出来ればしておく事が望ましい。

・給与・待遇

給与の金額は幅で示されている内容ではなく、詳しく金額まで確認する。書籍代、学会費がどこまで出るかは、法人によってかなり差があるため、確認しておきたい項目ではある。DOCTORCASTは、入職後に実際の待遇と示されていたものが違っていた場合は、クレームを入れ交渉をする事ができるサービスがある。

・経営

医療機関は比較的経営について素人な時が実際あります。経営者がしっかりと自身の法人について、把握しているかどうかはかなり大切です。事務方がいけていない医療機関はあまりおすすめしません。

■施設見学、面談

転職先を絞っていき、次は施設見学、面談に行きましょう。自分の思い描くキャリアをつくれるか、勤務の条件は合うかなどを確認していきます。面接では、コミュニケーションが取れるのかどうかが試されます。患者、職員とコミュニケーションが取れる医師ではいと、クレームの原因になり、法人の運営にも影響が出るため、人格的な面も評価に入ってきます。面談では、しっかりと相手の話を聞き、尚且つ聞かれたことに対して真摯な対応を心がけて下さい。自分の勤務する担当科目の医師と会い、院内を見学して雰囲気を確かめ、自分が働いていけるかのイメージをして下さい。

■退職

入職先が決まったら、現在勤務している職場に退職の申し出をします。医局のルールがある場合は、それに則って退職するのが一番無難です。狭い世界で、強引な退職をすると思わぬ世界で足をすくわれる可能性があるので、過去に辞めた先輩医師はどうだったかを参考にしましょう。

■まとめ

転職は人生の中でも大きなイベントです。納得のいく良い転職をするためには、待遇、知名度などで決めるのではなく、自分のキャリアプラン、希望をよく検証していく事が大切です。ぜひ転職を成功させて、生活をより良くしていきましょう。